大学共通テストとは 国数英編
2020年度は何の年と聞かれると、「東京オリンピック中止」「新型コロナウィルス」が皆様の頭に浮かぶと思いますが、「センターから共通テストへの変化」も同じくらいインパクトのあるニュースではないでしょうか。
受験者数50万人を超える日本最大の学力検査試験が、ついに新しいものへと変わることになりました。
そんな共通テストですが、センター試験とは大きく出題内容が変化します。形式はマークのままですが、「マークだから今までのセンターと同じだ」とは思わないようにしていただきたいです。
今回は国数英に焦点を絞り、どのように変化していくのかを簡単にですが説明したいと思います。
国語の変化した点
・文章に対話が引用される
・文章を比較する問題もある
・グラフ・図・資料の読み取りが課される
今までの国語の問題では、上記のような出題のされ方はされていません。評論・小説では「傍線の文章が示していることは以下のどれか」という形式が主だったのに対して、会話やグラフなどが入ってきたり、二文比較が入ってきます。
ディスコースマーカーを大切にし、書かれている内容の正確な読み取りが得点に必要な力となります。
数学の変化した点
・日本語の量が大幅に増加
・教科書に書かれている証明問題が形を変えて聞かれる
・1つの解法だけでなく、他の解法についても問題から聞いてくる
今までの数学は計算さえできれば良かったです。誘導に沿って解くだけで良く、計算を繰り返していた人は短時間で解けたでしょう。
共通テストの数学は数学+国語の読解力を聞いてくる問題のように思えます。何を聞かれているのかを理解し、適切な解答を作成していく必要がある。
制限時間の変化はほとんどないのにも関わらず、計算量と読解量が増えています。文系の国公立志望の生徒の鬼門が数学と言われていましたが、共通テストでその傾向はより強くなっていくと考えられます。
英語の変化した点
・リスニングが50点→100点、リーディングが200点→100点に
・リスニングでは1度しか読まない問題が出題される
・リーディングは問題も全て英語+全て長文
今までのセンターでは、リーディングの長文対策さえしていれば200点中140点を取ることができ、そこにリスニングを合わせれば7割前後を安定して取ることが出来ていました。7割は小樽商大の合格ラインであり、誰でも対策を講じることで取れる点数ラインでした。
今回の共通テストでリスニングとリーディングが1:1の点数割合になり、リーディングだけでは点数を稼げなくなっています。さらに、センターでは長文の配点が高いことから点数を稼げていたのに対し、共通テストでは長文しか出なくなることで配点が均等化されており、結果的にテクニックだけでは点数が取れなくなっています。
共通テストでは本当の英語の力が問われています。
国数英から見える共通テスト
共通テストから、国が生徒に望んでいる力は「考え、資料を読み、英語でコミュニケーションを取る力」と考えられます。マーク試験では力を計るのが難しい能力を、何とかマーク試験で点数化しようという意図が見えます。こういった取り組み事態は非常に大切なことであり、やっていかないとこれから先の時代を生き残るのが難しいのかなと考えます。
そうは言っても、1期生である現高3の生徒は本当に大変だと思います。ですが、条件は全員同じです。自分が出来ないものはみんなが出来ないと思い、志望校に必要な点数を取れるように勉強に励んでもらいたいと思います。
現高2・高1の生徒は、この共通テストから見えるものを先読みし、必要と思われる内容をどんどん吸収していってください。後志トップの高校の理科系科目では、定期テストにも早速反映しています。今までにはない定期テストとして、問題数と文章量を多くして共通テストを意識させているのではと考えられます。「問題が多くて終わらなかった」「見たことないタイプの問題だった」という声も聞こえましたが、それで終わらずに「これが入試で必要な力なんだ」というところまで意識を巡らせてほしいと思います。
12月はノンストップで入試まで駆け抜ける日々が続きます。体調を万全にし、日々一歩ずつ歩みを進めていきましょう。